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徒然ブリッジライティング

ブリッジングな(←エクソシストじゃない方ね)ブログです

『キューバの有機農業』 by藤田和芳さん(大地を守る会社長)

 

こんばんは。

ブリッジライターNAOです。

 


先日、2017年1月某日、

都内某所にて極秘のセミナーに参加してきました。

 

・・というのはウソで(笑)、

 

僕の古巣である大地を守る会で、

第一次産業やそこから派生した様々なこと”を学ぶ

藤田和芳社長も毎回参加する勉強会がありまして、

 

そこに参加してきました。

 

 

こちら↓はフェイスブックページ『インターネットと農業』の中の

「ノート」という機能で投稿した、その時の講演録なのですが、

 

『キューバの有機農業』 by大地を守る会藤田和芳さん

  

どうもFBページのノート機能は

あまり多くの人に見られにくい仕様のようだし、

たぶんSEO的にも不利(=検索順位が上がりにくい)

・・と思われるので、

 

 

やはりブログ記事にして残しておきます。

 

 

 

キューバという国は、

実は世界で最もさかんに有機農業の研究と実践がなされ、

国民ほとんどの食糧を支えたという事実も相まって、

 

有機農業大国、有機農業先進国、

まさに”有機農業のメッカ”なのですが、

 

”有機”とか”オーガニック”に関心のある人でも、

その事実をあまり多くは知らないでしょう。

 

(日本はアメリカ側なので、情報統制されてますからね〜)

 

 

とは言っても、

キューバ 有機農業」でグーグル先生に聞いてみれば、

それなりにブログやサイトが出てきます。

 

でも、

吉田太郎氏というキューバマニアの先生が

書かれたホームページが上位を占め、

(ご著作もたくさん書かれています)

 

やはり現地レポという意味では情報量は多くないですね。 

 

 

というわけで、

(僕自身が現地に行ったわけではないですが^^; )

貴重なキューバの有機農業の現場レポートを

ウェブ空間に残しておきます!

 

 

(藤田さんによるご講演+プレゼン資料を

 主に僕がメモ書きしたものの書き起こしです。)

 

 

 

<ハイライト>

 

キューバ視察には2009年と2016年9月に行った。

この7年の間では特に大きくは変わってはいない。

(アメリカのオバマ大統領が来て国交回復の調印をしたが、

まだ米国の議会の承認を得ていない)

 

米国との国交回復でこの国はどのように変わるのか?

大きく変わってしまうのだろうか?

その前に見ておきたかったので再訪した。

 


フィデル・カストロチェ・ゲバラらによる

1959年のキューバ革命(アメリカの 傀儡であるバチスタ政権を倒す)は、

農地解放が大目標。


(アルゼンチンの医学生だったゲバラは、

 南米のバイク旅行で地主に搾取され貧しい農民を見た。

 それが革命運動のモチベーション)


当時の農地はほとんどがアメリカの資本だったが、

それを国営に変えていった。

その後1962年のキューバ危機だけでなく、

何度もアメリカはキューバを攻撃した。

 

・経済封鎖

・CIAによるギネス記録になる638回のカストロ暗殺未遂

・飛行機からのトリパルミン(ジャガイモを枯らす細菌)散布

・豚の病原菌も空中散布で100万頭の豚が死んだ、などなど


その度にキューバ国民は団結していった。

 

 

キューバ革命はそもそも、人道的な動機だった(はずと思われる)。

レーニンの共産主義とは関係なかっただろう。

でも、キューバ革命の直後、

アメリカの妨害をうけながらも国体を立て直すには、

ソ連・共産圏の力を(仕方なく)頼らざるをえなかったのだろう。

 


そして、1991年、ソ連崩壊

農薬、化学肥料、資材、エネルギー、全てが入ってこない。

食料輸入もできない。すなわち深刻な食料危機。

ここで国民を餓死させないため、カストロの一声で有機農業に舵を切った。

 

「国家非常事態宣言」(大学などの教育機関も含め国力を総動員)

(・・これを出すのが、日本の現状と違うところ。

日本は農水省が有機認証制度を定めたが、”国をあげて”という支援は特に無し)

 

 

キューバ国中の牛糞(牛はたくさんいた)を集めて堆肥を作ることに。

そのためにミミズの研究が始められた。

世界中6000種ものミミズの中から、

カリフォルニアと南アフリカの赤ミミズが最適と発見。

 

キューバの有機農業のモチーフは「多様性」 

(cf.社会の作り方そのものもそうである)

 

畑に行ってみると、1つの畝に色々な野菜が植えられている。

数種類程度ではない。

これほどの徹底した混植は日本の有機農家でも見られない。

 

なぜ?と農家・農業技術者に問うと・・

「我が国には農薬がない。虫や病気にはそれぞれ特徴があり、色・味・匂い・光・音の加減で好きなものもあれば嫌いなものもある。こうやって混植すれば、互いに牽制しあって1つの種類が大量発生することはない。これで80%の収穫が得られる。」

 

⇒”多様性の中での農業

「私たちは収穫物を100%は求めない。80%でいい。

 100%を求めると不安定になる。80%だからこそ安定する。」と胸を張る。

 

 

ex.虫の防除方法の工夫の一例(写真参照):

この棒には油が塗ってあり、それぞれの色が好きな虫がそれぞれの高さにいて、

その色に惹かれて近づきくっついてしまう。

簡単で単純だが確実な「虫取り棒」。

f:id:bridge-writer:20170202220727j:plain

 

  


薬草農園もある。

代表的なのはモリンガの樹(原産地はインド)。

花も葉も実も食べられる。カリウムが豊富で薬効が高い。

 

 

キューバ国民への質問:

「米国との国交回復でどう変わる?」(2016年9月時点での質問)

 ↓

一様に回答:

「変わらない。仮に経済封鎖が解かれ、農薬や化学肥料が入っても、使わないだろう。」

 

 

 

キューバの農場には主に3種類ある。

「家庭菜園」「国営農場」「人民菜園」


中でも特に「人民菜園」が特徴的。

コパラテーバと呼ばれる共同体運営の農場で、

土地は国が貸してくれ、複数の市民が携わる。

収穫物は80%は国が買う。

20%は自分で食べるのもよし、自由市場で自由な価格で売るのもよし。

 

 

CTAという農業無料相談所のようなものが

日本で言えば駅のキオスクのようにあちこちにある。

そのこには農大を出たばかりの若者が数名常駐していて、

無料で市民に農業技術の相談に乗る。

畑への出張してアドバイスするのも可(その場合は有料サービス)

 

 

質問:耕作放棄地はないの?

回答:無い。農業委員会みたいなところがあって、

   もし耕作していない空き地があれば、その所有者に対して、

  「耕作権」を別の人に譲れと命令される。

 

 

「土のために働けば、人としても良い人物になる」

(byホセ・マルティ)という詩の石碑が農地に。

 

 

キューバでは農民は医者よりも大事にされている。

 (農民の所得は医者の2倍)

 医者・医療への国による投資もすごいが、農業分野はその上をいく。

 

教育費・医療費は無料。

ラテンアメリカ医科大学は南米全体でもNo1の実力。

学費・生活費はキューバ政府が支給。世界各国から優秀な学生が集まる。

 

 

 

ハバナのレストランではほとんどの店で楽団による歌のサービスがある。

楽団員は音楽大学を出ているプロの国家公務員でレベルが非常に高い。

ブエナビスタ・ソシアル・クラブのライブは圧巻。

圧倒的な迫力でノリの悪い僕(藤田社長)も踊り出すほどの感動!

 

 

 


<会場からの質問タイム>


Q「主食は?」

→豆、ジャガイモなど。米は中南米から輸入。小麦などは中国からの援助もある。

 

Q「農家にあるものは?」

→貧しい(ように見える)農家には電化製品は一切無い。

 

・・・国全体は見た目は貧しいように見えるけど、

医療・農業・音楽・映画の教育制度・学問レベルはすごく発達している。

人間が幸せであるためにベースとなる分野への投資は惜しんでいないようだ。

 

Q「役人はいばらないの?」

→いばらない。公務員は皆優しい。

 

ただ、ユートピアのようなイメージがされがちだが、

キューバ革命際に追放された人はたくさんいる。

全ての人にとっての理想国家ではない。

人権を抑え込むような法律もある。自由ではない。亡命者もいっっぱいいる。

 

Q「国民の徳が高いようだが、気候要因だけでなく、

 道徳などの(幼少)教育が良いのだろうか?」

→宗教は特にない。

 ゲバラやホセ・マルティの話を子どもたちにはよく聴かせているようだ。

 

Q「灌漑(かんがい)設備は発達しているの?」

→発達していない。スコールが多い。天水(雨水)だけで育つようだ。

 

 

 


<参考文献>

 


『有機農業で世界を変える〜ダイコン一本からの「社会的起業」宣言〜』

(藤田和芳著)

 

 

『200万都市が有機野菜で自給できるわけ―都市農業大国キューバ・リポート』
(吉田太郎著)


 

 

 


※こちらのブログもご参照ください。↓

 

(一緒に参加したヨメの方が先に書いてました。笑) 

kirakira-aya.hatenablog.jp

 

 

(まさに大地を守る会さんの担当者によるレポートです。)

キューバは実はオーガニック先進国だった! | 大地宅配|有機野菜や自然食品など安心できる食材・食品の通販宅配サービス

 

 

カストロという大人物によって、いかにキューバという国が作られ、

 そして誤解されてきたか、網羅されています。)

nobuyoyagi.blog16.fc2.com

 

 

 

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