親になった1日の記録
長女が無事に誕生しました!
時刻は11月12日の夕方16時半頃。
母子ともに健康体です。
結論だけなら、ただそれだけの報告なのですが、
破水、陣痛、分娩までの一連のあれこれを
レポートします☆
予定日は11月14日。
この前の新月(8日)に生まれることはなく、
先週の検診の時には
「まだしばらく生まれそうもないね」
と、かかりつけの先生や助産師さんたちに言われ、
じゃあ、次の満月(23日)頃かな〜
と準備時間の猶予を与えられてような気分で
のんびり構えていた今日この頃。
※統計的に新月や満月の前後は
出生数が他の日よりも多くなるようです。
それは突然やってきました・・
深夜3時頃、妻に揺り起こされます。
「ねえねえ、破水したかも」
「え、マジ?」
入院グッズはすでに1つのバッグに揃えてあったので、
心の準備はできてるのかできてないのかわからないままでも、
すぐにタクシーの手配して、
隣町の産院への移動となります。
ただ、家で電話で夜勤の助産師さんに報告の際、
そこから分娩まではまだ10時間以上はかかるそうで、
夫の付き添いはまだ不要。
出産に立ち会うのは、見込み時刻を告げられてから
後から向かえばよいそうです。
マンションの下まで荷物を持って、
タクシーを見送りました。
一人残され部屋に戻るときに、
まずはマンションの駐車場に暮らす地域猫に
「俺も今日、親になるよ〜」と挨拶。
「なんだい、こんな時間に・・
・・ん、そうかい、まぁ頑張りや」
妻から産院での検査の報告を待ち、
出産は昼から夕方以降になるということで
僕はその日の予定を調整。
最近常に腹ぺこ状態の妻から
「朝食8時まで長い!お腹すいた!」とLINEが来るので、
5時の始発で食料を届けに行くのかのやりとりもw
LINEしているうちにお腹は落ち着いてきたようなので、
お互い午後の本番に備えていったん眠ることにします。
朝起きると、妻から持ってきてほしいものリストが送られます。
「生理用ナプキン、イヤホン、バナナ、チョコ、飲料、うちわetc」
チョコレートは授乳期間中はそんなに母乳に良くないらしいので、
最後に食べおさめしておきたかったり、
陣痛から出産までの時間を食べ道楽する心づもりのよう(笑)
ところで、うちわ?
なんで?
陣痛や出産時の苦しい時、暑くなって汗だくになるらしいので、
立会いのパパができることのひとつに
うちわで扇いであげることがあるようですね。
午前の買い出しにて、
スーパーでの食材探しはスムーズでも、
慣れない生理用品コーナーをキョロキョロ、
うちわは季節モノだからなかなか置いてないな〜
と100均をウロウロ。
お、これは・・
「良いの見つけた(笑)後でのお楽しみに^^」
とLINEしておきます。
長丁場に備えて昼ごはんはガッツリ
縁起担ぎにカツ定食を近所のなじみのトンカツ専門店で。
午前に妻とのLINEのやりとりで
しばらく既読がつかない時間は、
陣痛が来ているのかな、と思いつつ
そんなこんなで13時半に産院に到着します。
部屋に入ると、ちょうど痛い最中。
でもすぐにやんで、午前と同様まだ余裕がありそうに見えました。
その時に担当の助産師さんから言われた経過状況は、
子宮口が数センチ開いて、今の間隔の陣痛も順当、
18時くらいから本格的な陣痛になる、とのこと。
やはり、果物など大量の食べ物の他に、
「ばあちゃん助産師(助産師と書いて「せんせい」と読ます)」こと
坂本フジヱさんの『大丈夫やで』と『大丈夫やで2』とか、
布おむつの本とかマタニティブックとか、
何時間でも読書して過ごせるように備えておいて良かった、
と思いました。
・・・が、しかし。
僕が来てそんなに経たないうち(10分も経ってないかも)、
陣痛が我慢できないくらいになってきたらしく、
「こんなに痛いの・・?」と急に妻が弱気に。
(お、なんかモードチェンジ?)
とか思うヒマもなく、
「腰押して〜!」と”痛み逃し”のマッサージが始まります。
そして、”痛み逃し”の決定版、あの方法を。
※ネットで調べればたいていすぐに出てきて、
最近だいぶ広く知られるようになった方法だそうです。
「第1チャクラにテニスボールを当て、押す」
というもの。
”第1チャクラ”?
・・いや、そんなスピ系なもんじゃありません。
ア◯スとか、ア◯ルのことです。
・・わかりにくいなら単刀直入に言いましょう!
肛門のことですね^^
妻があらかじめ陣痛に備えて調べていたこの方法、
すぐに効果を実証することに。
今はいざ実行となる場面ですが、
妻も調べていて知った時には笑いつつ、
ちょっと恥ずかしいんじゃないか?
と、ためらいの気持ちもあったそうです。
僕も先週くらいにその方法を聞いた時、
ちょっと笑ってしまいましたしね。
ただ、痛みの真っ只中、そういうのは吹っ飛びます。
「押してーー!!」
の掛け声のもと、
息を長く吐くのに合わせて、ぎゅーっと押し込みます。
「もっと強くーー!!」
(えぇ、そんなに強く?これ以上だとほぼ全力になるのだけど・・)
と不安をおぼえつつも、
腕力全開で押し込みます。
そりゃ僕の筋力がないことは確かです。
平均よりもかなり細いですしね。
でもまぁ、一般的に男性だな、という程度の腕力はあります。
その全力パワーで、
テニスボール越しに第1チャクラを押し込むわけです。
これがかなり効果テキメン。
すごく楽になるのはいいのですが、
これなしには痛みに耐えられないくらい、
妻にとって陣痛は想像以上のものだったようです。
僕も今年5月に肺の手術で
麻酔明けの傷の痛みは相当なものを味わいましたが、
今まさにまったく質も程度も違うレベルの痛みは、
感覚の共有ができません。
相当痛そうにしている妻の様子に
オロオロしてしまいそう。
とか思っている余裕もこちらにはなくて、
ひたすら第1チャクラにテニスボールを当てています。
必死に。
それが5分おきに1分間くらい、
・・なのは最初だけで、
その間隔がどんどん縮まっていき、
痛みがある時間も90秒、2分、とどんどん延びていきます。
テニスボールもひしゃげてきて、
硬さが維持できてないような気がして、
ますます強く押さざるをえません。
こちらの上腕の筋肉が限界に近ずくのも時間の問題。
というか14時過ぎにはもう限界に来ていました。
上腕に力が入らないのだから、
腕を伸ばして肩で押す、肘をロックして腹で押す、
腕をたたんでベッドの縁で身体を固定して腰で押す、
テニスボールがぶれないように支える指も痛く、
手のひらで支える、
拳を握ってパンチのインパクトさせる部分で押す、
テニスボールにパワーを送り込むべく
ありとあらゆる姿勢を試し、
それがひっきりなしなので、
次々にポーズを切り替えます。
水を飲むヒマもありません。
お、これはいい感じだ、
と安定した姿勢を体得しても、
まだまだずっと陣痛が絶え間なく続くので、
1回あたり数分続く押し込みを数回繰り返すと
その姿勢も使えなくなってきます。
で、また別のポーズを。
妻の方は四つん這いとか
側臥位(横向き)という普通な姿勢なのですが、
僕はもはやジョジョ立ちを
次々と繰り出しています。
「これ、こんなに痛くて大丈夫なの?」
とナースコールも数回しますが、
「これが陣痛です。頑張りましょう。」
と冷静な答え。
まぁ助産師さんが冷静なのは安心なのですが。笑
(助産師さんが部屋に来ている間、
僕はジョジョ立ちが恥ずかしいので
普通のポーズで震える手でテニスボールを押します)
ただ、それも15時半頃、
陣痛がおさまる時間が短すぎる気がして、
ここでのナースコールからの診断で、
予想より早いけど、緊急で分娩体制に入ることに。
当初、なるべく自然分娩をすべく、
手術機器の揃った分娩室ではなく、
今過ごしているその部屋でのフリースタイルを希望していました。
※フリースタイルとは、
通常は分娩台の上でM字開脚で産むのが一般的なところ、
妊婦本人がラクと感じる好きな姿勢で産む方法
ただ、状況によっては無痛分娩も帝王切開も
そのときの判断にお任せすることにしているので、
すみやかに分娩室へ移動し、僕はいったん待合室へ。
準備も手早く、まもなく呼ばれ、
慌ただしく先生が駆けつけたり4、5名体制となります。
医療行為っぽい場面になるとさすがに僕は何もできず、
邪魔にならないような位置に立ち尽くします。
撮影は、ちょっとだけ。
うまく撮り直す余裕なんてありませんね。
というか、手が震えてブレたり、スマホを落としそう。
(緊張とか昂りではなく、筋肉の疲労で。苦笑)
なんか、あらかじめ読んでいたパパ系ブログで、
立ち会い出産でパパのやることは松岡修造になりきること、
とか書いてあったんですが、
僕は苦しそうにしている妻に対して、
ただ汗を吹いたり、手を握らせたりするくらいで、
ほとんど声が出ません・・
手を握らせるのも、
ビジネス頑張ってます!的なオラオラ系のにいちゃんが
マウンティングとってくるように
がっちり強く握手してくるのとは比較にならない、
全力パワーで握ってきます。
(イデデデ!・・そんなに握力あった?)
薬指にリングがある左手は、
この金属片が僕の指に食い込んでさすがに怪我しそうなので、
手首を握り直させます。
分娩室に入って30分、
赤ちゃんの心拍が下がってきたそうで、
吸引の補助が入ります。
(破水したときの検査で、子宮内で胎便があったらしく、
羊水が濁っているのであまり長く子宮内にいると
赤ちゃんにとって良くないとは言われていました)
そうするとあっという間に赤ちゃん・・・
・・・というか、
青黒い(若干、チアノーゼ気味だったのかな?)頭が見えてきて、
すぐに産声もあげてくれました。
心拍数が下がっている、と聞いた瞬間は
やっぱり心配になって、短い時間ですが祈るような気持ちでした。
なので産声を聞いた瞬間は泣きそうに・・
すぐに妻の胸元に泣いている赤ちゃんが乗っけられ、
またすぐに計測で別のところに運ばれていきます。
妻は後産(胎盤などを出す過程)の処置があり、
僕はまた待合室に腰掛けていると・・
きれいに拭かれて産着に包まれた赤ちゃんを
助産師さんから手渡されます。
え、いいの?
とか思う間もなく、
「はい、どうぞ」という感じで。
しかもそのまま、何分くらいかな?
体感では30分くらいもの長い間、放置してもらいました。
その間ずっと、僕は赤ちゃんとふたりっきり。
青黒さはなくなり、白いきれいな肌。
まだ人間界に来たばかりの霊界の存在という感じで、
妖怪のような可愛さ。
(実際、お腹の中にいるときは人間じゃなくて
妖怪的家族として接していました。笑)
ほとんど泣くことはなく、
たまに泣いても軽くちょっと揺するとすぐに泣き止む、
落ち着いた子でした。
平時は白い肌が、泣く瞬間だけ真っ赤になるんですね。
手は活発に動き、目がキョロキョロとこっちを見たりあっちを見たり。
外の世界に興味津々なのかな。
生まれた直後は視覚が弱くてあまり見えてない説、がありますが、
少なくとも必死に見ようとはしています。
こんなに長く抱いていていいのかな?
と思いつつも、時間が止まったようなひととき。
そして呼ばれて再び分娩室に入ると、
いつもどおり元気な様子の妻を見て安心しました。
胎盤を触ったり、へその緒をもらったりと、
色々と体験させてもらいましたが、
そのあとに入院する部屋で、
赤ちゃんと妻との時間をゆっくり確保させてもらえたのが、
やっぱり一番嬉しいものですね。
率直に言うと、これを書いている翌日でも、いまだに
自分が親になった、この子は自分の子どもだ、
という実感はよくわからないのですが(苦笑)
これから、そういう体験を積んでいくんだと
いつもどおり、ゆったり構えたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします!
※これを読んだ妻のご友人の方々へ
出産後すぐは目も養生するべきだそうで、
スマホなどの画面を見ることは最小限にしています。
お祝いのメッセージなどの既読・返信が遅くなりますが、
ご容赦くださいませ。
追伸
ところで文章書いていて忘れていましたが、
うちわ、これなんですけど
(なんか面白いメッセージでも書こうかと思っていた)
結局使う場面なかったですね。
出産という神聖な場面で、
こういうちょっとおふざけの要素とか、
ほとんど入り込む隙間はないものですね(苦笑)
ブリッジライターNAO